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「かわ (こどものとも絵本)」が、絵巻仕立てで出版されていた

絵本をのぞき込むレトロな少年少女がかわいらしい、子ども向け絵本の「かわ」は、50年ほど前の1966年に出版されました。

山奥から海に至る自然や街や人々の営みが、一本の川に沿って描かれています。ページの端まで描かれた「かわ」は次のページへと続いていくので、子供たちはページをめくるたびに、そこに広がる新しい世界にワクワクしながら、まるで川に流されて進む『スチュワート・リトル』のような冒険を疑似体験をすることができます。

この「かわ」には、川のインフラ整備に関わる仕事も紹介されていますが、その中で三脚を据えて作業をする測量士も登場します。国土保全に関わる多くの職業の中から、測量が選ばれているのは、少し誇らしい気持ちになります。測量業に携わる者としては、子どもに見せたい本の筆頭といっても過言ではないかもしれません。

ところで、最近、この絵本が絵巻仕立てで出版されたことを知りました。ページをめくって続いていた川を、絵巻を広げて一望できる、贅沢な一品です。絵巻の表はカラーの絵のみ、裏面はモノクロですが文章が付いています。さらに近代的な構造物が描かれた2ページが追加されています。50年を経て進化した「かわ」を見られるとは思ってもいませんでした。

「かわ」の作者、かこさとしさんの絵本は、科学的で子どもの好奇心を掻き立てる工夫もあり大好きです。弊社の書架にも加えたいです。